EU MDR 医療機器の分類
欧州連合で販売される医療機器は、MDR の附属書 VIII に定められた 22 の規則に従って分類されます。
EU MDR 分類の背景
欧州連合(EU)において規制適合を求める新規およびレガシーデバイスは、適合性評価要件を特定するために、欧州医療機器規則(MDR: Medical Devices Regulation 2017/745)に基づくクラス分類を確認する必要があります。MDRの施行に伴い、新たに4つの分類規則(ルール)が導入されたことで、従来の医療機器指令(MDD)に基づいて既に分類されていたデバイスについても、適合性評価要件に変更が生じました。また、明示的な医療目的はないものの医療機器と同等のリスクプロファイルを持つ製品(附属書XVIにリストされている一部の美容・審美用機器など)や一部のソフトウェアなど、これまで医療機器として規制されていなかった製品も新たにMDRの規制対象となっています。
MDR に基づく医療機器の分類方法
クラス分類は、デバイスの動作原理、使用方法、および臨床での使用シナリオを明確にする「意図された目的(Intended Purpose)」に基づいています。デバイスの分類は、MDRの附属書VIIIに記載されている22の規則に従って行います。これらの規則は、人体との接触期間、侵襲性の程度、能動(アクティブ)か非能動(非アクティブ)か(すなわち、動作にエネルギー源が必要かどうか)といったデバイスの特性に応じた、リスクベースのロジックに従っています。デバイスに最も適合する規則に基づいてリスククラスが決定されます。複数の規則が該当する場合は、より高いリスク分類を規定する規則が適用されます。また、MDCG 2021-24 医療機器の分類に関するガイダンスでは、各規則の解釈や実務における具体的な適用方法が示されています。
デバイスはリスクの大きさに応じて4つのクラスに分類されますが、最もリスクの低いクラスには、さらに3つのサブクラス(下位分類)が設けられています。
クラスI - 低リスク(例:車椅子)
- クラスIs - 滅菌状態(例:サージカルドレープ)
- クラスIm - 測定機能(例:非滅菌の体温計)
- クラスIr - 再利用可能な外科手術用器具(例:特定の外科用メス)
クラスIIa - 中リスク(例:超音波画像診断装置)
クラスIIb - 高・中等度リスク(例:人工呼吸器、血液バッグ)
クラスIII - 高リスク(例:ペースメーカー、人工心臓弁)
分類が MDR に基づく規制要件に与える影響
クラス分類は、レガシーデバイスであっても、適合性評価ルートや認証機関(NB: Notified Body)の関与度合いを決定する重要な要素となります。高リスクデバイスの場合、認証機関から多大なるリソースを要する適合性評価要件を課される可能性があり、上市までのスケジュールが長期化する要因となります。これには、上市前の臨床試験(臨床調査)の実施や、臨床データに対する専門家パネルによるレビューの要求などが含まれます。また、クラス分類は、EU市場での販売を継続するためにデバイスのライフサイクル全体にわたって維持しなければならない活動にも影響を及ぼします。これには、市販後監視(PMS)およびビジランス(安全性監視)の報告要件(報告の種類、情報の詳細度、報告頻度など)や、サプライチェーンおよびラベル表示におけるトレーサビリティ要件などが含まれます。さらに、MDRへ移行するレガシーデバイスにおいて、最終的な移行期限はMDDでの分類ではなく、MDRにおけるデバイスのクラス分類に基づいて決定されます。
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よくある質問
US FDA に基づく分類スキームとは異なり、ヨーロッパの概念は述語の実質的な同等性や使用に基づいていません。 MDR に従ってデバイスを分類するために、CE マークの付いたデバイスとの類似性または同等性を示す必要はありません。ただし、類似性または同等性は、デバイスの Technical Documentation での分類を正当化するのに役立ちます。また、Technical Documentation では、前世代および同様の世代のデバイスを参照するための正式な要件があり、これには、EU または国際市場で入手可能な、そのようなデバイスが存在する特定の類似デバイスの概要が含まれます (MDR 付属書 II セクション 1.2)。この文脈での「類似」とは、デバイスが材料、設計、機能、使用目的などの共通の特性を持っていることを意味します (MEDDEV 2.7.1 rev 4、付録 A.1 も参照)。さらに、臨床的証拠の代わりに、臨床評価の一部として、類似または同等のデバイスの既存の臨床データを活用できる場合があります。
クラスI機器の製造元は、EU 適合宣言を発行し、Technical Documentation を作成し、基本的な品質管理システム (QMS) 要件を維持するとともに、他の該当する要件 (EUDAMED への登録など) を遵守することによって、自社のデバイスの適合性を自己宣言できます。クラス I の滅菌、測定、および再利用可能なデバイスは、クラス I のデバイスと同じ要件を満たす必要がありますが、それぞれデバイスの滅菌、測定、または再利用可能な機能に関連するため、Technical Documentation の NB レビューも必要です。満足のいく審査が行われた場合、NB は CEマーキング証明書を発行します。
使用上の注意は、意図された目的を拡張して、デバイスのアプリケーションを指定します。これらは、附属書 II パート 1.1 (c) に基づく Technical Documentation の機器説明の一部であり、次のものが含まれる場合があります。「診断、治療、および/または監視の対象となる患者集団および病状、ならびに患者選択基準、適応症、禁忌、警告などのその他の考慮事項 [ . ]」 機器の正確な分類を確保するために、機器の使用適応症を慎重に検討する必要があります。たとえば、医療機器の消毒および滅菌を目的とした機器は、エンドポイント処理のための侵襲的機器の消毒が指示されていない限り、規則 16 に基づくクラスIIa であり、その場合はクラスIIb になります。
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